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竹内 末広; 松田 誠
Proc. of 19th Int. Linac Conf. (LINAC98), 1, p.67 - 69, 1998/00
原研東海のタンデム加速器のブースターとしての超伝導リニアックは、1994年に完成して以来4年間稼働を続けてきた。利用においてNi,Ge,Se,Zr,I,Auなどの重イオンを再加速し、重イオン核物理、固体物理の実験に供してきた。超伝導リニアックの性能は高いとはいえ、水素吸蔵による超伝導空洞のQ値の低下の問題があり、対策として対象となる空洞(~16空洞)を2~3分割して急速に冷却することによってQ値の低下を低減することに成功している。これによって当初の設計性能の5MV/m(加速電界)を達成した。また、水素脱ガスによるQ値改善の試みの結果と今後の計画を述べた。トラブルとしては最近冷え込んだ空洞に空気が大量にリークすることが発生した。このリークは破壊的なものではなく無事に空洞性能は回復した。結果的に使用しているニオブ製1/4波長型超伝導空洞は空気汚染に対しても強く優れていることがわかった。
森嶋 彌重*; 古賀 妙子*
PNC TJ1630 96-001, 27 Pages, 1996/03
活性炭によるラドン吸着を利用したピコラド検出器および液体シンチレーションスペクトロメータを使用して、鳥取県三朝地域における環境中ラドン濃度の測定を行い、ラドンおよび崩壊生成核種の環境中挙動に関する研究を昨年度に引続き行った。ピコラドシステムによる簡便迅速なラドン濃度測定は、測定可能で、採取期間24時間、計測時間200分で、空気中ラドン濃度の最小検出限界は1.7Bq/m3、水中0.43Bq/- である。(1)三朝周辺地域における1995年10月11月に実施した空気中ラドン濃度は、屋外ラドン濃度は7.759Bq/m3、屋内ラドン濃度は13141Bq/m3の範囲で変動した。測定した地域の内、旭地区および竹田地区天神川沿い(竹田川上流の一部)が高く、三朝温泉地区の東南部小鹿地区および三徳地区は低く、人形峠付近についての屋外濃度は、1231Bq/m3と低い濃度レベルであった。屋内ラドン濃度について、もっとも低い小鹿地区と比較すると今回高かった竹田地区は約4倍であった。東大阪市の濃度は小鹿地区と同じレベルであった。(2)三朝温泉地区個人住宅のラドン濃度については、1995年5月より12月迄の経時変動を見ると、屋内濃度は53121Bq/m3、屋外濃度は950Bq/m3の範囲に変動し、浴室内ラドン濃度は48188Bq/m3であった。(3)1995年4月1995年12月における三朝周辺地域の一般家庭の温泉水、河川水、井戸水などの水中濃度はそれぞれ91161Bq/- 、2.310Bq/- 、1434Bq/- の範囲で変動した。
青山 喬*; 米原 英典*; 馬 吉増*
PNC TJ1645 96-001, 57 Pages, 1996/02
積分型ラドン測定器の線検出素子として用いられてきた硝酸セルロース(CN)フィルムの品質低下がみられ、動燃人形事業所においては、バリオトラック(CR-39)への変更を検討している。CNフィルムでは線のエネルギーを弁別するのに対し、検討中のCR-39ではその機能を有していないため、環境中のトリウム系列のラドン(220Rn:トロン)による測定への影響が予測されるため、その影響について実験研究を実施した。その方法としては、一般木造家屋のトロン濃度が高い土壁付近と、トロン濃度が低い部屋の中央付近にバリオトラックを装填した積分型ラドンモニターを設置し、ラドン・トロンが弁別して測定できる他のバッシブ型モニターとの比較測定を行った。その結果、トロン濃度に大きな差がある2地点のラドン濃度測定値に、有意な差はみられなかった。また、他のモニターの結果とも大きな差はみられなかった。また、一般環境におけるトロン測定手法、および濃度レベル、さらに高い濃度が観測される環境について文献調査をした。以上の結果から、積分型ラドンモニターは、一般環境においては、トロンの影響が無視できることが判明した。
間辺 巖; 富居 博行
IRPA9: 1996 International Congress on Radiation Protection, Proceedings, 3, p.350 - 352, 1996/00
JPDRの解体では機器の構造、材質そして汚染レベル等を考慮した種々の切断工法が試みられた。特に、高汚染機器の解体には遠隔制御による水中プラズマ切断が行われた。原子炉解体時の空気汚染を評価するには、各種切断工法のエアロゾル飛散率が重要となるが、これまで明確に示されていない。JPDR解体時に気中、水中切断で発生するエアロゾルの特性測定を行い、作成した空気汚染評価モデルを用いて各種パラメータを決定した。モデルは切断時に発生する放射能に対し、気中や水中への飛散率と、室内での沈降、換気量から放射能濃度を求めるものである。水中切断時のエアロゾルは気中に対し、より大きな粒径のものが捕捉され飛散率は水深に連れて指数凾数的に減少した。取得したパラメータや評価モデルは将来の商用炉の解体時の空気汚染予測や、合理的な解体工法の立案に有用となる。
上薗 裕史; 吉川 静雄; 田代 晋吾; 中村 治人; 金沢 浩之
Journal of Nuclear Materials, 149(1), p.113 - 116, 1987/01
被引用回数:6 パーセンタイル:82.02(Materials Science, Multidisciplinary)高レベル廃棄物ガラス固化体の貯蔵時の安全性試験の一環として、Csを含むガラス固化体の入ったキャニスター中で起こる空気汚染について検討した。キャニスターを1000Cで4日間保持した後、常温まで冷却し、エアーサンプラーを使ってキャニスター中の空気を捕集し、浮遊している微粒子を波長分散X線マイクロアナライザー付きの走査型電子顕微鏡で観察した。その結果(1)0.2~0.7mの微粒子が合体してより大きな二次粒子を生成していること、(2)セシウムの含まれる微粒子には同時に鉄・ニッケル・又はクロム等のキャニスターの腐食生成物に由来すると思われる元素がともなうことを明らかにした。また、ガラス固化体中の亜鉛やケイ素等がキャニスターの腐食を促進するため、浮遊微粒子が増加すると推察した。
成冨 満夫; 福田 整司
日本原子力学会誌, 14(10), p.531 - 539, 1972/00
放射性ヨウ素による空気汚染のモニタリングには,活性炭を捕集材として用いたサンプラが最も有効であり,また最も普及している。しかし,多数の報告において指摘されているように,活性炭を使用した場合でもその捕集効率は,(1)ヨウ素の物理的,化学的な性状,(2)雰囲気条件とくに湿度,(3)サンプリング時間および表面流速,などに依存する。これら因子の影響を小さくし,捕集効率の改善をはかるためにイギリス,アメリカおよびわが国では日本原子力研究所などにおいて,種々の化学物質を活性炭に添着する方法が開発されている。